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2022年06月27日

お金は無限に発行できる 第六章 必ず分かる信用創造

お金は無限に発行できる 第六章 必ず分かる信用創造

第六章 必ず分かる信用創造

お金とは

私たちは、お金と言うと、お札や硬貨をイメージします。



お金とは、現金だけを指すのではなく、銀行に預けてある預金も指します。



現代のお金は「数字の情報」でしたが、私たちが持つお金のイメージは、偉い人の顔と数字が書かれた紙幣や、金属の延べ板に、数字が刻印されたものです。福沢諭吉の壱万円札や、銀色の百円玉、いわゆる現金のことです。

           → 預金(数字の情報)

お金(数字の情報)→
→ 紙幣(数字の情報を紙に記録)
           → 現金(現物) 
→ 硬貨(数字の情報を金属に記録)
 
                
現金と言うものは、「数字の情報」を、ポケットに入れたり、持ち運べたり、誰かに簡単に渡せるように、紙や金属に記録したものです。

子供の頃に、お使いに行ったことがあると思いますが、パンと牛乳と、人参と大根と卵を買うなど、情報量が増えてくると、記憶しておくことが困難になります。その時には、お母さんが、紙切れに買物リストを書いたメモを渡してくれます。忘れないように、メモに情報を記録したと言うことです。

私たち、人類全員が、嘘をつかないで、全ての取引による「お金の数字の情報」を、頭の中に完璧に記憶し、持ち持ち運ぶことができるのであれば、この世から現金は必要なくなります。

硬貨は、小さく、持ちやすく、保存し易いのですが、1,000円を、1円玉を1,000枚持ち運ぶ人はいません。その時には、1,000円札に両替します。



両替とは、異なる単位の紙幣や硬貨を交換することです。

10円玉10枚を、単位の違う、100円玉1枚に交換したりします。500円玉は、100円玉を5枚で1枚とする単位の硬貨です。



また、日本円や米ドルなど異種の通貨、お金を交換することも両替と言いますが、その時の交換比率をレート、為替と言います。



現金紙幣も、額が小さい時には、便利なのですが、100万円、1,000万円、1億円と金額が大きくなると、持ち運び、管理に不便です。そこで、私たちは、大量に記録された紙幣や硬貨(大きくなった数字の情報)を、銀行に行って、預金するのです。つまり預金とは、数字に両替することと言えます。

預金とは、お金という数字の情報が記録された紙幣や硬貨を、銀行に行って、単なる数字の情報に戻す作業だと言うことができます。

「銀行預金を、お金(現金)ではない」と言う人はいないと思います。なぜ、私たちは、銀行預金を、お金(現金)だと認識しているのでしょうか?



世界の大泥棒が主役のアニメ、ルパン三世は、銀行に潜入して、金庫をヘリコプターで釣り上げ、現金を盗んだりします。しかし、現代の、銀行の金庫には、大量の札束は保管されていません。なぜなら、現代の預金は、数字の情報であり、その情報はコンピューターのサーバーの中にあるからです。



銀行預金は、電子マネーで、データーなので、もし、ルパン三世が、銀行預金を盗む為には、ドリルや爆弾、ヘリコプターなどを使うのではなく、ハッキングをする必要があります。ルパンと五エ門、次元の三人は、コンピューターの高度な知識や技術を使って、銀行の管理するコンピューターから、電子マネーを窃取するハッカー集団になることになります。このように、悪意で、コンピューター・システムをハッキングする行為を、クラッキングと言います。



私たちは、預金を普通に現金だと認識しています。あなたが、ヤフーオークションなどで、商品を個人売買したり、会社からの給料として、振込を受けた時、(電子マネー)を受け取り、預金が増えた時、現金を受け取ったと感じていると思います。

それは、あなたが銀行で預金を受け取る際に、ATMや窓口で、その数字を現金に変えてもらえるからです。銀行でお金をおろすと言う行為は、預金(電子マネー)を、数字の情報から現金に両替してくれているのです。私たちが銀行で、預金や出金をするのは、数字と現物の両替です。

現実的には起こらないのですが、私たち国民が一斉に、銀行預金をおろしに行ったとします。

市中銀行は、私たちの預金(銀行にとっての負債)を紙幣にして、現金化する義務があります。日本に約1,000兆円のお金(預金)があるとして、紙幣は約100兆円分しかないので、900兆円分の現金の支払いをすることはできません。支払いすることができないと言うよりは、両替することができないのです。

結局どうなるかと言うと、銀行だけでなく、独立行政印刷局が大騒ぎになります。いわゆる取り付け騒ぎという状況になりかねない事態なのですが、紙幣を印刷するのを待たされるだけで、紙やインクなど印刷に関する産業が、大儲けすることになるだけです。実際の取り付け騒ぎについては、後で説明します。●



ですから、私たち国民が、一斉に、銀行預金を引き下ろしに行くと、取り付け騒ぎではなく、印刷屋を巻き込んだ両替騒ぎが起こると言うことです。

中には、銀行は借金によって、無からお金をつくり出しているから、みんなで一斉に、預金を引きおろすと、銀行からお金がなくなると思い込んでいたり、だから銀行のシステムは詐欺だというような主張も見受けられます。

しかし実際には、その場には現金がないだけです。お金がない訳ではないので、私たちが心配する必要はありません。私たちは、借金とか、取り付け騒ぎと言うネガティブな言葉に、感情を振り回されることなく、淡々と、単なる事実を正しい知識に変えていく必要があります。


また、お金は、銀行で借金によってつくられると言うのは、壱万円札を印刷したり、百円玉を鋳造するような行為のことではなく、信用創造によって、数字の情報である銀行預金をつくり出すと言うことです。

『信用創造』というのは、簡単に言うと、銀行で、お金(数字の情報)をつくる、銀行預金をつくり出す、仕組みのことです。

私たちが知っているお金は、預金と現金です。また、私たちが日常的に、買い物等に使う『現金』には、2種類あります。

1つ目は、500円玉や100円玉など、いわゆる「硬貨」と呼ばれるもの。

2つ目は、10000円札や5000円札等々の、「紙幣」と呼ばれるものです。

まずは、硬貨と紙幣を良く観察してみましょう。何か気づきませんか?

全ての硬貨には「日本国」と刻印されています

では、10000円札はどうでしょう。壱万円と書かれた文字の上に『日本銀行券』とあります。

「日本国」と「日本銀行券」

これが、2種類のお金、現金があるという根拠です。

① 日本がつくるお金、硬貨。
② 銀行がつくるお金、紙幣。

日本銀行のホームページでは、百円玉などのことを貨幣と読んでますが、ここでは硬貨で話を進めます。通貨や貨幣や、預金だとか、お金だとか、言葉の定義があやふやで、多すぎです。いつの日か、が学者たちは、一般の人に分かりやくするために、お金の定義を整理しなくてはいけないかもしれません。

「お金(現金)」と一言で言っても、硬貨と紙幣には明確な違いがあります。

それは、硬貨の発行元は政府であり、紙幣の発行元は、銀行であるということです。

しかし、紙幣は銀行が発行元だと言っても、紙幣を印刷するという意味ではありません。紙幣に記録されている、数字そのものを作り出すと言うことです。ですから、信用創造によって銀行紙幣が増えるのではなく、数字の情報である、銀行預金が増えると言うことになります。



●第五章●で説明しました。ゴールドスミスは、誰かが借金をする時に、万年筆で数字を書くだけでお金をつくりました。銀行は、誰かが借金をする時に、銀行窓口で、パソコンのキーボードを叩いて、預金をつくると言うことです。ですから、信用創造のことを、ゴールドスミスの「万年筆マネー」に対して、「キーボードマネー」と呼ぶ人もいます。

時々、信用創造を勉強した人が、お金は必要になれば、「紙幣を刷ればいい」と言いますが、厳密に言えば間違いになります。「キーボードを叩いて数字をつくればよい」と言うことになり、そこで、必要ならば、その増えた数字に基づき、現金紙幣を増やしたいのであれば、現物を刷ればよいのです。

日本の中央銀行である、日本銀行、通称日銀は、わが国では唯一の「発券銀行」としてお札を発行しています。その元となる「お金の数字の情報」は、市中銀行の銀行窓口でつくり出されます。硬貨(貨幣)は、日本銀行ではなく、政府が発行しています。硬貨(貨幣)は、独立法人造幣局が製造した後に、日本銀行に交付されます。交付、配達、引き渡された時点で、硬貨(貨幣)が発行されたことになります。

硬貨(貨幣)も、銀行券も、日本銀行の取引先金融機関である市中銀行が、日本銀行に保有している当座預金を引き出すことによって、世の中に送り出されることになります。

先ほど紙幣には「日本銀行券」と書かれていると説明しました。

『券』とは何でしょうか。

辞書にはこう書かれています。

信用証書・印紙・証文の類。荘園(しょうえん)田地などの所有の手形。

そう、お札は「信用証書」で、「手形」なのです。

ここ数年で、お金をつくる仕組みである「信用創造」という言葉が広まり、陰謀論的に語られることが多くなりましたので、聞いたことがあるという方も増えているかも知れません。

しかし、その多くが、詐欺や一部資本家の陰謀であるかのようなセンセーショナルな内容で語られており、本質から大きく離れていることは、非常に残念に思います。

信用創造は、マネー・クリエーションの英語訳なのですが、直訳すると、お金をつくり出す、貨幣創出、お金創造のようになります。そのように訳してくれれば、普通の人にも理解されやすいと思うのですが、この言葉を訳した人は、そこに深い意味を込めたようです。

信用と言うのは、あなたを信用しているとか、信用を失うと言うように普段使われる言葉ですが、ここで言う、信用は銀行の貸借、貸し借りの意味です。貸借関係が成立したことを信用といい、その時に、お金がつくり出されると言うことを伝えたかったのでしょう。

「信用創造」は、社会を大きく進化させることになった金融の仕組みであり、便利なシステムです。

ただし、諸刃の剣であることは間違いはありませんし、使い方次第で毒にも薬にもなり得るということは言えるでしょう。

ただ、それは全てのシステムに言えることです。

「信用創造」に限った話ではありません。



ゴールドスミスは、誰かから金貨を預り、金匠手形を発行しました。誰かが金貨を借りにきた時も、金匠手形を発行しました。

日本の紙幣も、「信用証書」で、「手形」です。

銀行で言う信用とは、貸借のことでした。銀行券は、貸し借りの記録、ゴールドスミスが発行した手形と同じです。

ゴールドスミスが、信用創造を発見し、人類が進化、発展させたのです。そのため、皆んながお金を使えるようになり、経済活動が活発になり、文明を飛躍的に進化させました。信用創造は、人類史上の大発見だと言えます。

現代では、誰かが、銀行の窓口で、借金をした時に、お金が創造されます。では、銀行による、信用創造と言う、お金をつくる仕組みは、どのようにして誕生したのでしょうか。

信用創造を理解すれば、見ることの事実が増えると思います。

それは、昔から目にはしていたのかもしれない。でも、今までは見なかった。または、見えなかったもの。この真実が明らかになるだけでは留まらないでしょう。



皆んながお金持ちになるためには、銀行が無からお金をつくり出す、まるで、錬金術のような、話をしなくてはいけません。難解なのは、複式簿記を理解しないといけない部分です。

簿記を学んだ方、税理士などは、複式簿記ができると思います。しかし、できるとわかるは、全く違うということが、この信用創造の理解度でわかります。

例えば、自作パソコンをつくる人がいます。オートバイのエンジンをバラバラにして、組み上げることができる人がいます。

各パーツの機能を知り、組み立て、形にすることができたとしても、パソコンやオートバイのエンジンを設計できるとは限らないからです。

これからお話しする信用創造と複式簿記は、どのように設計されているかと言うことを、お伝えしなくてはいけません。

暗記したり、作業の慣れで、覚えた知識では、もしかしたら、太刀打ちできない内容かもしれません。

信用創造は、色々な方が解説しています。珍紛漢紛の人もいますし、一生懸命に詳しく説明している経済評論家の方も経済学者の方も、政治家の方も一般の方も本当にたくさんいます。

でも、ほとんどんどの人は、理解できないのです。頭がオーバーヒートしてしまう。だから、いつまで、経っても、広まりません。しっかりと理解されないため、銀行を悪者にしたり、陰謀論に走る人があとを絶ちません。責任を誰かに押し付け、魔女狩りをしても、世の中を良くすることはできないと思います。

もし、日本国民の三分の一の人が、信用創造をしっかりと理解できれば、皆んながお金持ちに成れるので、日本から、貧困がなくなります。

日本で広まれば、世界でも広まります。そして、世界からも貧困がなくなります。

国民が貧しいと、自分の損得で政治家を選びます。ストレスの発散で政治が行われると、誰もお金持ちには成れません。それより、信用創造を学んで、皆んなお金持ちになる方が楽しいとは思いませんか?

時に知識が思考を停止させます。信用創造は、銀行の詐欺でも陰謀でもありません。私の知る限り、高校生の現代社会や政治・経済の教科書に30年以上も前から、明確に記載されています。ただ、本質を理解するにはあまりにも難しすぎる。そのため、公然の秘密になっているのです。

とにかく、この章は、何度も読んで理解して欲しいと思います。

信用創造という仕組みの成り立ち

銀行による信用創造を完璧に理解するためには、まず、皆さんの銀行に対する誤った認識を変えていかなくてはいけません。それは、言葉からくる思い込みの除去です。そのために、複式簿記を理解する上で、日常使うことのない専門用語についても、解説していきます。

私たちは銀行にお金を預けることができます。それを預金と言います。また、銀行からお金を借りることもできます。

その借金の限度額は、その人の信用で決まります。土地をいっぱい持っているから、お金を貸しても大丈夫だと言うのは、土地を担保に信用できると言うこと。会社の業績が良い、安定した収入が見込める公務員等々、信用を担保できる人やものは様々です。

ここで、大切なことは、お金を預ける時と、お金の貸し借りをする時の話で、その取引のための専門用語を理解し、覚えることです。

お金を貸すことを貸金(貸付)、お金を借りることを借金と言いますが、複式簿記では、貸方と借方と言う言葉を使います。貸す方、貸し付ける方を、貸方、借金する方、借りる方を、を借方と呼びます。

借金(貸金)については、貸方、借方の意味が分かりやすいのですが、預金については、見えてきません。

お金を預ける時には、預金と言いますが、ここに、理解を混同させる要因が隠れています。

預金にも、貸方、借方があるのです。ここを整理してみましょう。

誰かがお金を借りる時、お金を貸した誰かがいます。

誰かがお金を貸す時、お金を借りる誰かがいます。

必ず、コインの表裏のように、光と陰のように、二つ、対になっています。わたしは、このことを知った時、「お金は陰陽」だと、思って感動しました。このような関係を、複式簿記では、貸借関係と言います。

「お金は借金によってつくられる」と、言いますが、必ず、そこには、貸す側と借りる側が存在します。お金がつくられる時、貸方と借方があると言うことは、必ず二人の人間が存在します。つまり、二人の間に、貸借関係が必要だと言うことです。

お金は、その貸借関係によって、生まれるのです。



それは、会話に似ています。仲の良い二人がいると、会話が生まれます。話す人と、それを聞く人がいて、会話が成立します。貸す人と、借りる人がいて、借金が成立するのと、同じです。会話は、二人の、仲良し関係から生まれた現象です。お金も、貸借関係から生まれた現象と言うことです。

ですから、

お金は、誰かの借金によってつくられる。

お金は、貸借関係の現象によって生まれる。

お金は、債務と債権の記録である。

だから、「お金の本質は借金だ」と、言う極端な話になるのです。

信用創造とは、銀行がお金を借りにきた人を信用(貸借)した時に、生み出されると考えると、納得がいくと思います。


「お金は、誰かが銀行で借金する時の貸借関係による、債務と債権の記録であり、数字の情報が現象として、銀行窓口で生まれる」と言うことです。

それでも、まだ、信用創造の全てを理解したとは言えないのです。

●それは、銀行には、誰かのお金を預かる(預金)と言う業務に隠れた謎があるからです。

ゴールドスミスは、誰かが、金貨を預けにきた時、金匠手形を発行しました。また、誰かが、金貨を借りにきた時にも、金匠手形を発行しました。



でも、私たちは、現代の銀行に、お金を預けに行っても、手形を受け取ることはないのです。ですから、金貨を預けること、お金を預金することを、もう一度、整理しなくてはいけません。

皆さんは、銀行は、お金を預かるビジネスをしていると思っているかもしれません。

しかし、そうではありません。

もし、そうなら、貸金庫業(貸倉庫業)になります。または、預金業となるはずです。

銀行の仕事は、貸金業です。

ゴールドスミスが、最初に始めたビジネスは、貸金庫業(貸倉庫業)でした。ゴールドスミスは、職業柄、金庫を持っていましたが、それは、もともと金の倉庫のことです。その金の倉庫を、金庫と呼ぶのですが、銀行の金庫とは、本来の意味から考えると少し違います。ですから、ゴールドスミスの業務は、貸倉庫業とも、貸金庫業とも言えます。皆んなが預けた金貨を守るのが仕事でした。そして、預り料で利益を上げていました。

現代の銀行は、皆さんが預けたお金を運用するのが主たる仕事になります。

銀行は、誰かが預けたお金から、準備率に従って貸金可能額を決定します。そして、誰かが借金をする時に、借り手と銀行の間に貸借関係が成立し、無からお金をつくり出し、貸金して利息を利益とするビジネスです。(準備率は、後で詳しく書きます)



信用創造のプロセス(手順)

① 誰かが銀行にお金を預ける
② ( )
③ 誰かが借金をしにくる
④ 貸借関係の成立
⑤ 無からお金をつくり出す
⑥ 貸金

これが、信用創造と言う、錬金貸付ビジネスです。②は、後で解説します。

⑤ 無からお金がつくり出されている、その場所は、民間銀行(市中銀行)の窓口です。

事実上、壱万円札などの、銀行による、お金の数字の、ほとんどは、民間銀行が、作り出しています。

「お金のほとんどは、民間銀行でつくられている」とは、どう言うことでしょうか?

壱万円札は、日本国の、中央銀行である日本銀行が発券することになっています。

日本銀行のホームページにも
https://www.boj.or.jp/about/recruit/fresh/outline/sub_unei_kikaku.htm

「日本銀行は、日本で唯一、銀行券を発行する発券銀行です」と明記されています。

これが、真実を分かりにくくしている原因です。

一昔前に、日本にお金がないのなら刷ればいい、簡単だろ」と言った総理大臣がいました。財務大臣になってからは、「MMT は、いかがわしい。自国建通貨がある国では、いくらでもお金をつくれる?デフォルトはありえない?日本を、その実験場にはできない」と言いました。

YouTubeで検索すると、アップされています。消されてしまう前に、ご覧ください。詳しいことは、●●第八章「お金は膨張する」で解説します。

「日本銀行は、日本で唯一、銀行券を発行する発券銀行です」と明記されていましたが、「発行」と言う日本語が、曖昧さの原因だと思います。

「発行」とは、新聞や本、紙幣などを印刷して世の中に出すこと、映画の入場券などをつくって出すことを言います。

「発券」とは、銀行券、航空券、切符などを、「発行」することです。

その意味や使い方が、基本的に同じなので、混乱を招きます。

つまり、無から数字をつくってお金を世に出すことを、「発行」と言い、その数字を紙に印刷することを、「発券」と言って、区別すると、少し、分かりやすくなります。

ですから、「日本銀行は、日本で唯一の発券銀行です」とだけ書けば、一般の人に、理解されやすいでしょう。

確かに、壱万円札を発行しているのは、日本銀行だけですから、銀行券を発行していると言えます。しかし、ここでは、発券していると言うだけにしておく方が、信用創造の実態が見えてきます。

「お金を発行すれば良い」であれば、日本のお金は増えます。しかし、「紙幣を発券すれば良い」、「紙幣を刷れば良い」になると、ただの数字の両替になるため、日本のお金は増えません。

なぜなら、壱万円は、お金の数字の情報を記録してあるだけの、記録媒体だからです。その数字をつくっているのは、民間銀行です。また、政府が国債を発行して、お金をつくると言う話も、政府が国債を発券して、民間銀行がお金を発行しているの方が理解しやすいかもしれません。お金の数字をつくって世に出しているのは、ほとんど、民間銀行だからです。

お金の数字をつくらなくては、お金を増やすことができません。壱万円札を刷って、お金を増やすことはできません。ただ「刷ればいい」では、もともとある預金の数字を、両替して、印刷して、紙媒体にするだけの話になってしまいます。両替するだけで、お金は増えないのです。

民間銀行は、お金の数字をつくっています。数字は、パソコンでキーボードを叩けばつくれるのですから、最初から、わたしたちの預金を集める必要はないのです。

世の中にある、ほとんどのお金をつくっている民間銀行は、無からお金をつくって(信用創造)、貸し出し、利息で、利益を出しているので、どんなに沢山のお金を預かっても、全く利益になりません。

むしろ、預かっているだけでは、預金者に利息を払うため、損をするばかりです。多少は、振込み手数料等が入るかもしれませんが、それだけでは、銀行員のお給料を支払うことはできません。また、投資信託などは、銀行本来の仕事でもありません。

銀行は、社会に必要とされる人や、夢を追いかけている若者、または、社会貢献を目指す起業家に、お金を貸付、応援する貸金業です。利息を稼ぎ、世の中にお金を増やし、景気を循環させるのが、本来の仕事です。その利息は銀行の貸付け業務による付加価値で、サービス料、手数料と言うことです。

もう一度、預金について、考えてみます。そのために、ゴールドスミスJRの時代に戻ってから、説明を始めたいと思います。

例えば、ゴールドスミスJRと7人の子どもたちの銀行を、ゴールド銀行だとします。ゴールド銀行の金庫には、1億枚の金貨がありました。

普通に考えると、1億枚の金貨を、誰かに貸すことができると言うことになります。

ある日、ゴールド銀行に、社長Aが、金貨1,000万枚を借りに来ました。

そこで、ゴールド銀行は、金貨1,000万枚を、社長Aに貸すのですが、金庫にある金貨を、直接、貸すわけではありません。

すでに、ゴールド銀行の発行する金匠手形が流通しており、金貨を取りにきに使う人は、ほとんどいないからです。ゴールド銀行は、金匠手形を、発行(発券)するだけです。

万が一、社長Aが、金匠手形ではなく、金貨で貸してくれと言ったとしたら、用意することはできます。仮に、ゴールド銀行が、金貨1,000万枚を用意したとしても、社長Aは、受け取ることは、ないでしょう。

なぜなら、重たいからです。持ち運びが大変です。持って帰っても置く場所にも問題が起こります。狙われて盗まれたら困ります。はっきり言って、大量の金貨は不便で、ある意味、邪魔なので、必要ないのです。

あんなに皆んなが欲しがる金貨なのに、邪魔なのです。邪魔だからと言っても、価値がなくなり、人気がなくなったわけではなく、物理的に管理が不便で保存が困難、危険を伴うからです。

実は、現代社会の、私たちも、社長Aと全く同じことをしています。

例えば、あなたがアラブの大富豪だったとします。あなたは何処か南の島でも買って、お城を建てようと思っています。その島は、100億円で売りに出ています。

あなたは、その島を買うために、銀行に行って、100億円おろしますか?

それを持って、飛行機に乗り、支払いに行くことは、現実的ではないはずです。危ない、重たい、そして、邪魔で、必要ありません。

だから、大金持ちは、ゴールドスミスJRに、大量の金貨を預けに行ったのです。そもそも何で、預けに行ったのかと言う話です。

社長Aが、現物主義でない限り、金貨1,000万枚を受け取りたくありません。アラブの大富豪も、現金主義でない限り、同じなのです。

ですから、私たちは、日々、使うための紙幣や硬貨は財布に入れて持ち運び、残りのお金(数字)は、銀行に預けているのです。

そうやって考えていくと、現代の銀行は、私たちのお金を、預かってくれていて、管理し、守ってくれていることになります。私たちは、預り料を、支払うこともなく、ティッシュやカレンダー等を、プレゼントされることさえあります。

ですから、銀行の預り業務は、スマイル0円のサービスになっています。

さらに、忘れてはいけないのは、預金に対する利息の話です。

近頃は、お金を銀行に預けても、利息が増えないと言う、不満の話も良く聞きます。

なぜ、こんな気持ちになるかと言うと、私たちは、銀行にお金を預けてあるのですが、無意識に、私たちのお金を貸していると思っているからです。

私が預けたお金を、誰かに貸して、儲けているのだから、分け前をくれと言う感情です。それは、投資(投機)的な発想ですが、預金は、あくまで、銀行のサービスです。

でも、私たちのお金を貸して利益を得ているのだから、利息は多い方が嬉しいのも人情ですよね。

しかし、そこに、大きな勘違いが、横たわっているのです。

現代の銀行は、私たちの預けたお金を運用してはいますが、私たちの預けたお金を直接貸しているわけではないからです。

私たちの預金を貸してはいないと断言した方が、説明しやすいでしょう。

ゴールド銀行も、預かっている金貨を貸してはいないように、現代の銀行も、私たちの預金を貸している訳ではありません。

●●●

信用創造を、深く理解するために、架空の国と、銀行をつくり、お話をします。

あるところに、太陽国がありました。太陽国には、水銀行、金銀行、火銀行、木銀行、土銀行、天銀行、海銀行の7つの銀行あります。

太陽国の銀行は、現代の銀行と全く同じやり方で、運営しています。お金の単位は日本と同じ「円」です。

太陽国の7つの銀行には、総額1億円の預金がありました。太陽国には、大きな夢を持つ国民がたくさん住んでいました。会社を起業する人、マイホームを建てたいと思う人、学校に進学して学者を目指す人、夢は様々です。彼らは皆んな、積極的に7つの銀行にお金を貸してくださいと相談に行きます。彼らが希望する借金の合計は3億円でした。

太陽国の7つの銀行には、総額1億円の預金しかありません。常識的に考えたら、2億円も足りません。しかし、彼らは全員、お金を借りることが可能です。彼らと7つの銀行の間に貸借関係さえ成立すれば、無からお金が生まれる現象が起きるからです。7つの銀行で信用創造された3億円を各銀行は彼らに貸すのです。太陽国の各銀行にもともとあった1億円は、動かず残ったままです。

その時、太陽国の7つの銀行の、預金総額は、もともとあった1億円と、信用創造された3億円を合わせて、4億円になっています。

これは、貸付金が、銀行の窓口でつくられた、信用創造されたからです。信じられないと思われるかもしれませんが、真実です。貸付金は、銀行の窓口で、数字の情報として現れます。

太陽国の7つの銀行の預金総額が1億円から4億円に増えた理由は、太陽国の国民が、3億円の借金をしたからです。これは、現代の日本でも同じです。誰かが借金すると、社会のお金が増えます。また、誰も借金しなければ、社会にお金は増えません。

ここで、信用創造で、社会にお金を増やすと問題が起こると言う方がいます。理由は大きく二つあり、一つ目は、借金による利子に問題があると言うこと。二つ目は借金を返すと社会からお金がなくなると言うのが彼らの意見です。その問題の彼らの解決策は、銀行による信用創造を廃止して、政府通貨を発行しろという内容です。スイスと言う国では、フルマネーイニシアチブと言う運動が起こり、現代の銀行制度を廃止するための国民投票まで実施されました。

彼らの言う2つの意見は事実ですが、問題ではありません。そのような話は、日本でもあります。それは、信用創造をマクロ的な視点で考えきれないことによる誤解です。彼らが、なぜ、それまで信用創造を嫌うかと言う理由を知りたい方は、NHKが作成した『エンデの遺言』を見ていていただければ、分かります。多分、最初に見たときには、銀行の信用創造は社会の悪だと感じると思います。しかし、それは気づきの影の部分としての批判でした。私もそうでした。しかし、それはお金に対する良くない感情と、信用創造をしっかりと理解していないことからくる、誤解です。詳しい内容は、第十一章の●『お金の落とし穴』で丁寧に解説します。

信用創造は、社会にお金を増やすための銀行の機能であり、社会貢献のための銀行の主要業務です。私たちが、社会貢献するためにも、夢を叶えるためにも、お金は必要です。夢も社会貢献も、先立つものが必要です。お金はその目的のための手段です。お金を恐れたり、執着しすぎると、全体を見ることができなくなります。深く考えることなく、『お金は借金でつくられる』という『借金』というネガティブなイメージに感情を振り回されていると、せっかくのチャンスを逃すことになります。まず、信用創造をしっかりと理解してから、判断しなければ、誰もお金持ちになることができません。

ほとんどの人が、銀行の貸付(金)業務の手順を勘違いしています



① 誰かが銀行にお金を預ける
② 銀行にたくさんのお金が集まる
③ 誰かが借金をしにくる
④ 貸借関係の成立
⑤ 銀行の預金から
⑥ 貸金

と、思っているでしょう。

しかし、実際は、こうです。

信用創造のプロセス(手順)

① 誰かが銀行にお金を預ける
② 預金から準備率に従って貸金可能額を決定
③ 誰かが借金をしにくる
④ 貸借関係の成立
⑤ 無からお金をつくり出す
⑥ 貸金

どこが、違うかと言うと、②と⑤の部分になります。②の準備率と貸金可能額とはいったい何のことを言っているのでしょう。

信用創造の②の部分は、大学入試のセンター試験にも良く出題されます。●実は、信用創造によって預金がいくら増えるのかは、無限等比級数の公式を使えば、簡単に導き出すことができます。

無限等比級数の公式を利用すると、信用創造によって預金が「いくらに増えるのか」、または「何倍に膨らむのか」という計算が簡単にできます。

信用創造を説明しているYouTubeの動画を見ると、いくつかの銀行で、預金が、行ったり来たり、お金をグルグル回す解説を見ることになると思います。それは、実際の社会には、銀行が無数にあり、借金する人も預金する人も、様々な銀行を利用するからです。

しっかりと理解するためには、マクロ的な大きな視点で、信用創造を考えなくてはいけないのですが、ここでは、銀行預金は、「いくらに増える」か、答えの出し方だけ、公式の使い方だけ説明します。

信用創造によって預金が「いくらに増えるのか」、または「何倍に膨らむのか」と言うことだけ、知ってもうことが目的です。

多分、ほとんどの受験生も公式を丸暗記しています。計算自体は小学生レベルの分数、割り算です。

マクロ的な視点で、信用創造を理解するために、太陽国にある7つの銀行を、一つにまとめたものを、地銀行として、問題を解いてみます。

例えば、地銀行に、1億円の預金があったとします。準備率が10%の時、信用創造によって預金はいくらに増えますかと言う問題があったとします。

公式は、

最初の預金 ÷ 準備率 = 増えた預金

で、最初の預金(本源的預金)を準備率で割ると、最初の預金が何円に増えるか計算できます。
 
最初の預金が1億円で、法定準備率が10%なので、預金総額は 「 1 ÷ 0.1 = 10 」で、10億円に増えることがわかります。
 
ただし、預金の増加額(信用創造額)は、預金総額10億円から最初の預金1億円を差し引いた9億円になります。

銀行預金が1億円あれば、信用創造によって9億円のお金を生み出すことが可能です。

ここで言うと、地銀行に1億円の預金があれば、私たちは、3億円の借金が可能になります。●

しかし、銀行預金は、勝手に増えることはなく、貸借関係の成立が絶対条件です。誰かが借金をしなければ、社会にお金は増えません。

また銀行がお金をつくる話も、国がお金をつくる話も、全く同じことになります。日本には1,000兆円の借金があると言う話になりますが、それは、日本には1,000兆円のお金が存在していると言うことです。ここにも、貸借関係があります。

日本は、誰から借金をしたのかと言うと、私たち国民です。私たちが日本に1,000兆円を貸しているのです。私たちは、日本人ですから、鶏と卵のような話で、自分で自分に借金しているのと同じです。その時に発行される手形を国債と言います。

皆さんが、信用創造を理解すれば、日本に借金はない。政府の負債であるということも分かるようになります。そうすれば国民の主権により、政府は国債を発行して、お金を社会にばら撒くこともできます。私たちも、夢を担保に、銀行を使って、お金をいくらでもつくることができます。それは、信用創造と、その準備率と言うルールがあるので、これを使えば、銀行預金を無限大に膨張させることができます。また、準備率を理解すれば、利子を限りなくゼロにできます。そして、無利子にすることも可能です。理由は、お金は数字だからです。数字は嘘をつきません。信用創造は、数学で証明可能だからです。

ここで、もう一つ、確認すべきことがあります。それは、誰かが銀行に借金をする時、銀行預金が貸し出しされるわけではないということです。

ほとんどの人が、銀行の貸付(金)業務の手順を、

① 誰かが銀行にお金を預ける
② 銀行にたくさんのお金が集まる
③ 誰かが借金をしにくる
④ 貸借関係の成立
⑤ 銀行の預金から
⑥ 貸金

と、思っていると書きました。

皆さんは、① 皆さんの預金が、② たくさん集まって、③ 誰かが借金をする時に、⑤=①+② 銀行預金から、⑥ 貸し出されると思っています。

皆さんの、大きな思い込みは、⑤ の皆さんの預金が、貸し出されるという部分です。

貯めてある、皆さんのお金が貸し出されることを「プール理論」と呼んだりします。水のように、ものがたまっていると、貸し出しも、有限だと考えてしまいます。●

信用創造というのは、誰かが借金する時に、つくり出されるお金を貸し付けるシステムです。そして、どれだけ、つくり出せるかというのが、どれだけ膨らませるかは、準備率で決まります。

準備率を操作すると、貸し出しできるお金が、膨らんだり縮んだり、膨らんだりします。その準備率を操作できるのは、日本銀行です。日本銀行は、社会にお金を増やし易くする、または、減らす舵取りをする役目があります。準備率は、景気を良くしたり、抑制したりするための、道具だと言うことです。

太陽国には、7つの銀行がありました。では、具体的に、銀行は信用創造によって、社会にどれだけのお金を増やすことができるか考えてみましょう。

説明を始める前に、もう一度、確認すべきことがあります。それは、誰かが銀行に借金をする時、銀行預金が貸し出しされるわけではないということです。

ほとんどの人が、銀行の貸付(金)業務の手順を、

① 誰かが銀行にお金を預ける
② 銀行にたくさんのお金が集まる
③ 誰かが借金をしにくる
④ 貸借関係の成立
⑤ 銀行の預金から
⑥ 貸金

と、思っていると書きました。

皆さんは、① 皆さんの預金が、② たくさん集まって、③ 誰かが借金をする時に、⑤=①+② 銀行預金から、⑥ 貸し出されると思っています。

ここで、大切なことは、自分の思考パターンに気づくことです。学習プロセスに注意を向ければ、理解しやすくなります。リラックスした冒険心があれば、思い込みは除去できます。

皆さんの、大きな思い込みは、⑤ の皆さんの預金が、貸し出されるという部分です。信用創造というのは、誰かが借金する時に、つくり出されるお金を貸し付けるシステムです。そして、どれだけ、つくり出せるかというのが、どれだけ膨らませるかは、準備率で決まります。準備率を操作すると、貸し出しできるお金が、膨らんだり縮んだり、膨らんだりします。その準備率を操作できるのは、日本銀行です。日本銀行は、社会にお金を増やし易くする、または、減らす舵取りを役目があります。準備率は、景気を良くしたり、抑制したりするための、道具だと言うことです。

ここでは、まず、社会全体で起きる信用創造の動きを、全体像として、つかむため、準備率を無視して説明します。

太陽国には、水星銀行、金星銀行、地球銀行、火星銀行、木星銀行、土星銀行、天王星銀行、海王星銀行の8つの銀行あります。また、8つの銀行をまとめる(日本国における中央銀行、日本銀行に相当)中央銀行である太陽銀行があります。中央銀行とは、銀行の銀行のことです。太陽国には、8つの銀行と、1つの中央銀行、合計9つの銀行があることになります。



・太陽銀行 は、日本の太陽国の中央銀行

・水星銀行 (1,100万円)
・金星銀行 ( 900万円)
・地球銀行 ( 0円 )
・火星銀行 (1,000万円)
・木星銀行 (3,500万円)
・土星銀行 (2,500万円)
・天王星銀行( 300万円)
・海王星銀行( 700万円)

水星銀行には1100万円の預金、金星銀行には900万円、地球銀行には0円、火星銀行には1,000万円、木星銀行には3,500万円、土星銀行には2,500万円、天王星銀行には300万円、海王銀行700万円の預金があります。8つの銀行の預金総額は1億円です。太陽国には1億円のお金があると言うことです。太陽銀行は、8つの銀行の中央銀行で、その銀行の預金を預けるための銀行です。私たちの預金を預かることはありません。当座預金と言いますが、ここでは取り上げないことにします。



・太陽銀行 は、日本の太陽国の中央銀行

・水星銀行 (1,100万円)
・金星銀行 ( 900万円)← 国民 A が100万円の借金をしにくる。
・地球銀行 ( 0円 )
・火星銀行 (1,000万円)
・木星銀行 (3,500万円)←国民 B が50万円の借金をしにくる。
・土星銀行 (2,500万円)←国民 C が10万円の借金をしにくる。
・天王星銀行( 300万円)
・海王星銀行( 700万円)

実際、私たちの住んでいる現代の社会にも数多くの銀行が存在しています。日々、たくさんの国民が同時に、預金や借金をします。国民Aが金星銀行に100万円の借金、国民Bが木星銀行に50万円、国民Cが土星銀行に10万円の借金をしにきました。



・太陽銀行 は、日本の太陽国の中央銀行

・水星銀行 (     )
・金星銀行 ( )← 国民 A が100万円の借金をしにくる。
・地球銀行 ( 1億円 )
・火星銀行 (     )
・木星銀行 (     )←国民 B が50万円の借金をしにくる。
・土星銀行 (     )←国民 C が10万円の借金をしにくる。
・天王星銀行(     )
・海王星銀行(     )

太陽国にある8つの銀行預金総額1億円が、信用創造によって、社会(太陽国)にどれだけ増えるか、分かりやすく説明するために、ここでは、8つの銀行預金を一つにまとめ、地球銀行に預けます。社会では、国民Aが金星銀行で、国民Bが木星銀行で、国民Cが土星銀行で自分の好きなところで取引するように、ローソンで、ファミリーマートで、セブンイレブンで買い物をしています。コンビニ全体の売り上げを掴むためには、全ての店舗の売り上げを合計しなくてはいけませんし、ローソンの経営状態を考える時も全ての店舗の商品売り上げを、カテゴリー別に分けて考えて、合計しなくてはいけません。地域によってはアイスクリームが売れる店舗もあれば、肉まんよりもカレーまんが売れる店舗もあるでしょう。人には色々と都合があるのです。中には、自分のお金を、いくつかの銀行に貯金している人もいます。振込をする場合など、取引相手が、同じ銀行であることは稀ですし、住んでいる地域より、遠い県外だったりもします。このように複雑な動きをしている、信用創造を理解するためには、思考実験が必要になります。思考実験は、複雑なものを、全体的に捉えるためのものです。その理論に見通しをつけるために、ある単純な例に絞り込んで、理論全体のイメージを掴む方法です。太陽国にある預金も、毎日、動きを止めることなく動いています。8つの銀行預金を、地球銀行に預けるとは、実際にそうすると言う意味ではなくて、8つの銀行の預金の動きを、1つにして観察しやすくするための手段で、仮定の話です。この信用創造の思考実験は、「銀行の不思議さ、お金の不思議さ、信用創造の不思議さ」を感じることを目的とします。ものごとを深く考えながらも、俯瞰していいく、上に、上に、広げていく、思考の作業です。



・太陽銀行 は、日本の太陽国の中央銀行

・水星銀行 (     )
・金星銀行 ( )← 国民 A が100万円の借金をしにくる。
・地球銀行 ( 1億円 )
・火星銀行 (     )
・木星銀行 (     )←国民 B が50万円の借金をしにくる。
・土星銀行 (     )←国民 C が10万円の借金をしにくる。
・天王星銀行(     )
・海王星銀行(     )

また、借金をする人のことを、『誰か』と仮定しますが、この『誰か』とは一人のことではなく、不特定多数の太陽国民とします。信用創造は、社会全体の動きなので、マクロ的な視点で考えなくては、理解しにくいためです。




・太陽銀行 は、日本の太陽国の中央銀行

・水星銀行 ( )
・金星銀行 (     )
・地球銀行 ( 1億円 )← 『誰か』が地球銀行に、160万円の借金をしにくる。
・火星銀行  ( )
・木星銀行 ( )
・土星銀行 ( )
・天王星銀行(  )
・海王星銀行(  )

例えば、国民Aが金星銀行に100万円の借金、国民Bが木星銀行に50万円の借金、国民Cが10万円を土星銀行に借金すると言うことを、『誰か』が、地球銀行に、160万円の借金を借金をしにくるとします。



・太陽銀行 は、日本の太陽国の中央銀行

・水星銀行 ( )
・金星銀行 (     )
・地球銀行 ( 1億円 )→ 160万円が信用創造された。
・火星銀行  ( )
・木星銀行 ( )
・土星銀行 ( )
・天王星銀行(  )
・海王星銀行(  )

その時、実際は、金星銀行で100万円、木星で50万円、土星銀行で10万円のお金が、信用創造によって、つくられるのですが、地球銀行の信用創造によって、160万円のお金がつくられると考えます。これは、同時並列分散的に行われる銀行取引を、イメージしやすくするためです。それは、同時多発的に取引されているものを、分かりやすく、地球銀行に、



・太陽銀行 は、日本の太陽国の中央銀行

・水星銀行 ( )← 預金10万円
・金星銀行 (     )← 預金20万円
・地球銀行 ( 1億円 )← 預金15万円
・火星銀行  ( ) ← 預金40万円
・木星銀行 ( )← 預金30万円
・土星銀行 ( )← 預金5万円
・天王星銀行(  )← 預金5万円
・海王星銀行(  )← 預金35万円

信用創造された160万円は、市場に出回り、太陽国の経済活動の中で『誰か』に使われます。そして、『誰か』が太陽国にある8つの銀行に預金することになります。



・太陽銀行 は、日本の太陽国の中央銀行

・水星銀行 ( 10万円 )
・金星銀行 ( 20万円 )
・地球銀行 ( 1億15万円 )
・火星銀行 ( 40万円 )
・木星銀行 ( 30万円 )
・土星銀行 ( 5万円 )
・天王星銀行( 5万円 )
・海王星銀行( 35万円 )

太陽国には、もともとあった1億円と、信用創造でつくられた160万円を合わせた1億160万円が存在することになります。

・太陽銀行 は、日本の太陽国の中央銀行

・水星銀行 ( 160万円 )
・金星銀行 (     )
・地球銀行 ( 1億円 )
・火星銀行  ( )
・木星銀行 ( )
・土星銀行 ( )
・天王星銀行(  )
・海王星銀行(  )

ここで、8つの銀行に預金された、10万円、20万円、15万円、40万円、30万円、5万円、5万円、35万円、も、擬似的に預金を集めて160万円にして、水星銀行に預金したことにします。

このような感じで、誰かの借金、誰かの預金が繰り返すことにより、社会にお金が増えていく、信用創造の説明をします。


太陽国には、8つの銀行がありました。では、具体的に、銀行は信用創造によって、社会にどれだけのお金を増やすことができるか考えてみましょう。

説明を始める前に、もう一度、確認すべきことがあります。それは、誰かが銀行に借金をする時、銀行預金が貸し出しされるわけではないということです。

ほとんどの人が、銀行の貸付(金)業務の手順を、

① 誰かが銀行にお金を預ける
② 銀行にたくさんのお金が集まる
③ 誰かが借金をしにくる
④ 貸借関係の成立
⑤ 銀行の預金から
⑥ 貸金

と、思っていると書きました。

皆さんは、① 皆さんの預金が、② たくさん集まって、③ 誰かが借金をする時に、⑤=①+② 銀行預金から、⑥ 貸し出されると思っています。

ここで、大切なことは、自分の思考パターンに気づくことです。学習プロセスに注意を向ければ、理解しやすくなります。リラックスした冒険心があれば、思い込みは除去できます。

皆さんの、大きな思い込みは、⑤ の皆さんの預金が、貸し出されるという部分です。信用創造というのは、誰かが借金する時に、つくり出されるお金を貸し付けるシステムです。そして、どれだけ、つくり出せるかというのが、どれだけ膨らませるかは、準備率で決まります。準備率を操作すると、貸し出しできるお金が、膨らんだり縮んだり、膨らんだりします。その準備率を操作できるのは、日本銀行です。日本銀行は、社会にお金を増やし易くする、または、減らす舵取りを役目があります。準備率は、景気を良くしたり、抑制したりするための、道具だと言うことです。

それでは、信用創造と、その準備率について考えていきます。

ロシアの人形、マトリョーシカを想像してみてください。

最初の大きな人形の中には一回り小さい人形が入っています。人形の中からまた人形が出てくる入れ子になって、繰り返されます。

信用創造は、このようなイメージです。



太陽国には、水銀行、金銀行、火銀行、木銀行、土銀行、天銀行、海銀行の7つの銀行あります。7つの銀行の預金総額は1億円です。太陽国には1億円のお金があると言うことです。これが最初である、本願的預金になります。

太陽国にある銀行預金総額1億円が、信用創造によって、社会(太陽国)にどれだけ増えるか、分かりやすく説明するために、新たに、地銀行を設立し、7つの銀行預金を一つにまとめます。

また、借金をしにく人を、誰かと呼びますが、誰かは一人のことではなく、不特定多数の太陽国民とします。信用創造は、社会全体の動きなので、マクロ的な視点で考えなくては、理解しにくいためです。

 預金 準備金 貸出金 合計
① 地銀行 1億円 1億円

太陽国の国民全員が、7つの銀行から預金をおろして、新たに設立された、地銀行に預金したとします。地銀行には、今、1億円の預金があります。準備率を10%とします。

 預金 準備金 貸出金 合計
① 地銀行9,000万円1,000万円 1億円

① 地銀行には、預金が1億円あるので、その10%である、準備金1,000万円を『太陽銀行(中央現行)』に預けました。残った9,000万円は、貸出可能額(貸出限度額)になります。この預金が貸し出されるのではなく、あくまで、この預金と同じ額だけ、信用創造できると言う意味です。この時点では、まだ、信用創造されていません。

 預金 準備金 貸出金 合計
① 地銀行9,000万円1,000万円9,000万円 1.9億円
                  ↑↑
                『信用創造』

そして誰か(太陽国民)が① 地銀行に借金する時に、信用創造によって、最大で、貸付金9,000万円が生まれます。この時に、社会にお金が増えます。また、もともと地銀行にあった、1億円は1円も減ってはいません。地銀行に預金されている9,000万円と『太陽銀行』に準備金としてある1,000万円は、残ったままです。太陽国にあるお金は、最初の1億円と信用創造された9,000万円を合わせた、1億9,000万円になります。

 預金 準備金 貸出金 合計
① 地銀行9,000万円1,000万円9,000万円 1.9億円
                  ↓
       ←←←←←←←←←←←←← 
       ↓
② 水銀行9,000万円

その9,000万円は、市場で使われて、太陽国にある8つの銀行に預金されます。マクロ的に考えるため、8つの銀行の銀行預金を②水銀行にまとめて考えます。

 預金 準備金 貸出金 合計
① 地銀行9,000万円1,000万円9,000万円 1.9億円
                  ↓
       ←←←←←←←←←←←←← 
       ↓
② 水銀行8,100万円 900万円

②水銀行は、準備金900万円を『太陽銀行』に預けます。

 預金 準備金 貸出金 合計
① 地銀行9,000万円1,000万円9,000万円 1.9億円
                  ↓
       ←←←←←←←←←←←←← 
       ↓
② 水銀行8,100万円 900万円8,100万円 2.71億円
                  ↑↑
                『信用創造』

そして誰かが借金する時に、最大8,100万円が信用創造されます。
社会に8,100万円増えたので、合計は2億7,100万円になります。

同じく、8,100万円は市場で使われて、8つの銀行に預金されます。ここでも、マクロ的に考えるため、預金を金銀行にまとめます。結局はどこの銀行に預けても、全ての銀行で信用創造が行われるため結果は同じになると言うことです。

 預金 準備金 貸出金 合計
① 地銀行9,000万円1,000万円9,000万円 1.9億円
                  ↓
       ←←←←←←←←←←←←← 
       ↓
 預金 準備金 貸出金 合計
② 水銀行8,100万円 900万円8,100万円 2.71億円
                  ↓
       ←←←←←←←←←←←←← 
       ↓
③ 金銀行7,290万円 810万円7290万円3億4,390万円
                  ↑↑
                『信用創造』

ここまでで、太陽国のお金の合計は、3億4,390万円になりました。

このように、信用創造は、繰り返すことになります。
 
 預金 準備金 貸出金 合計
① 地銀行9,000万円1,000万円9,000万円 1.9億円
② 水銀行8,100万円 900万円8,100万円 2.71億円
③ 金銀行7,290万円 810万円7290万円3.44億円
④ 火銀行6,561万円
⑤ 木銀行5,905万円
⑥ 土銀行5,314万円
⑦ 天銀行4,782万円
⑧ 海銀行4,304万円
 10億円




準備率とは、何か?

銀行は、預金そのものを、貸し付けるわけではないのですが、預金額が、信用創造できる限度額を決めます。その限度額は、中央銀行が定める準備率によって、決まります。この準備率は、その国の景気に合わせて変えます。準備率によっって、市場に出回るお金を増やしたり減らしたりすることができるのです。それは、準備率によって、銀行が私たちに、貸し出しできる限度額が大きくなったり、小さくなったりするからです。これは、企業による、大量生産に似ています。例えば、本は、印刷機が発明されたことで、大量につくることができるようになりました。大量につくることができる製品は、安く売ることができます。銀行も同じで、貸し出せるお金が増えれば、金利を安くすることができます。日本銀行は、日本の景気を良くしたい時には、準備率を引き下げて、銀行が貸し出しできる限度額を大きくします。また、景気を抑制したい場合は、準備率を引き上げて、銀行が貸し出しできる限度額を小さくします。銀行で信用創造できる限度額を、風船のように大きくしたり、小さくしたりできるのです。ここで、もう一度、信用創造のプロセス(手順)を確認します。

信用創造のプロセス(手順)

① 誰かが銀行にお金を預ける
② 預金から準備率に従って貸金可能額を決定
③ 誰かが借金をしにくる
④ 貸借関係の成立
⑤ 無からお金をつくり出す
⑥ 貸金

今までの話は、プロセス②の、預金から準備率に従って貸金可能額を決定というところになります。

例えば、国内の全ての銀行預金の合計金額が分かれば、準備率を、無限等比級数の公式に入れれば、信用創造によって、どれだけのお金を生み出して貸出しできるかの答えをすぐに出すことができます。また、国内の全ての銀行預金を「1」とすれば、導き出された答えが、何倍膨らんだかの答えになります。

公式は、

「1」 ÷ 準備率 = 何倍に膨らんだか

で、最初の「1」(本源的預金)を準備率で割ると、最初の預金が何倍に膨らむか計算できます。

問題、準備率か50%の場合
 
最初の預金が「1」で、準備率が50%なので、預金総額は 「 1 ÷ 0.5 = 2 」で、2倍に膨らむことがわかります。

問題、準備率が25%の場合
 
最初の預金が「1」で、準備率が25%なので、預金総額は 「 1 ÷ 0.25 = 4 」で、4倍に膨らむことがわかります。
 
問題、準備率が10%の場合
 
最初の預金が「1」で、準備率が10%なので、預金総額は 「 1 ÷ 0.1 = 10 」で、10倍に膨らむことがわかります。

問題、準備率が1%の場合
 
最初の預金が「1」で、準備率が1%なので、預金総額は 「 1 ÷ 00.1 = 10 」で、100倍に膨らむことがわかります。

問題、準備率が0.1%の場合
 
最初の預金が「1」で、準備率が0.1%なので、預金総額は 「 1 ÷ 000.1 = 10 」で、1000倍に膨らむことがわかります。

このように、準備率を小さくし割り算を続けていけば、信用創造によって、お金を無限につくることは可能です。












ここまで理解してくると、多くの人が、マネーゲームを正当化する、さまざまな経済の理論というものに対して、大きな疑問符を突きつけると思います。

●社会にお金が増えると、みんなが得をするはずなのですが、一部の資本家にとっては不都合なのかもしれません。なぜなら、大きな資本になればなるほど、損をするからです。お金が増えると、お金の価値が下がります。そうなると、大きな資本の価値も下がると言うことです。

そもそも、お金は有限でした。

また、この自然界にあるものは、すべて有限で、一定の寿命があります。時間が経てば、劣化し、老化し、消えていきます。

それなのに、現代のお金だけは、なぜ、無限なのか?

この問題を解き明かすことで、経済の様々な矛盾を解決していけます。

●●●

 
 
 シンクロニシティ(Synchronicity・共時性)
 シンクロニシティとは、「意味のある偶然の一致」のことをいい、日本語訳では、「共時性」といいます。カール・ユングが提唱した概念です。因果関係のない複数の出来事が、いきなり同時に起こることをいいます。従来知られている「因果性」とは違って、時空間を超えた、神のいたずらのような偶然です。


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Posted by ノボブ at 16:44│Comments(0)アイディア
 
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