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2010年04月24日

ジャンキー(中毒者)

ちょっと笑える、厳しい本をご紹介いたします。

いろんな組織に見られる、「うちあたいの日々」
プロジェクトのありがちな(良くある)パターンを
86のユニークな名前をつけながら紹介しています。
筆者はひとりではなく、コンサルティング、プロジェクトマネジメント
要求仕様、リスクマネジメント、組み込みリアルタイムシステム・・・
など、それぞれの専門分野を持つ6人!
筆者たちの(みんなで本を書くのも、すごい)深い経験と
洞察のもので描かれてた各パターンの話は、誰もが
「あぁ、そうだ」「だよなーっ」って感じてきたものです。

アドレナリンジャンキー

Adrenaline junkies and Template Zombies
プロジェクトの現在と未来を映す86のパターン

トム・デマルコ
ピーター・フルシュカ
ティム・リスター
スティーブ・マクネナミン
ジェームズ・ロバートソン
スザンヌ・ロバートソン

伊豆原弓 訳

日経BP社  定価(本体2200円+税)


 抽象化は人間独自のもの?

 筆者は、私たち人間はいつ何どきでも、目覚めている限りは
抽象化を行っている、と言っています。

 いつからなのか?(有史以前???)

 原子の人類が何かを見つめ、なんとなく見覚えがあると思い、
突然「ああ、またアレだ!」とひらめいた瞬間が。それが最初の抽象化である。
(本書より)

抽象化した瞬間!! 何もかが変わった!!!

人はこの地球上に解放された。

抽象化は人間だけのものだが、パターン認識はそうではない。
人間独自のものではまったくない。

ねずみは、猫がいつごろ眠りそうとか、人間がいつ台所から出ていくか、
最近いつパンくずが床に落ちてまだそうじされていないかを学習してきた。
この週末はバレないように出かけるはずだったのに、飼い犬はあらゆる前兆を
嗅ぎつける(スーツケースのせい?)。・・・・・


「真栄田岬の青の洞窟」では
北風が強く吹くと、餌を与えてくれるダイバーが訪ねてこないことを
オヤビッチャ(スズメダイ)は、知っている。


でも、でも、でも

どれほどパターン認識を極めても、オヤビッチャには「ああ、アレだ」
・・・きちんと観察をして「ああ、またアレだ!」と気づくことはできない。
それが抽象化だ!!!

私たち(ダイビングインストラクター)は(たくさんのお客さんを海に潜らせる)
経験を積んでいるから(他の仕事の方にも言えます)
毎日、毎日、海を見て、風を見ているから・・・
「ああ、またアレだね!」って。・・・できない人もいる。

そのおもな違いは?

どのように本質をとらえているか?

本書より

パターンは時間をかけて吸収され、洗練され、精神の奥深く言語の関わらない領域に
しまい込まれ、直観という形で表に現れる。
アメフトの試合であのボールキャリアは左へ突進しそうだとか、妻が怒りを爆発させそうだ
とかいった直観は、過去の経験からパターン認識された結果である。

・・・・

ジャンキー(中毒者)

パターンは特に論理づけがなくても役に立ちます。
ダイビングショップ(会社)で言うと、いろいろなメニューがあり
例、体験ダイビング、ダイビングスクール、ファンダイビングやスノーケリングなど
それに経験豊かなスタッフ、新人スタッフや・・・がいて
それをいろいろ考慮しながら、・・・と毎日、段取りを立てています。
日々の業務(作業)を体で覚えている!(パターン化)、というのも良いことですが
筆者はこう言っています。

パターンについてじっくり考え、そこから何か明確な知見を導き出せれば、
その価値はずっと高くなる。
・・・本質をとらえて言葉にすることができた。・・・他の人と共有・・・

本質をとらえて、叫ぼう!

ということで、会社(組織)の課長さん以上の方に読んでほしい本です。
この本を読んで、プロジェクトに積極的に「参加」して
(座っているだけなら、家で、食器でも洗ったほうが生産的)
前向きに、勇気を持って発言してください。
そうすれば、会社は良くなり、業界は良くなり、沖縄が良くなりと
世の中が良くなっていくのです。



P9 3.死んだ魚

プロジェクトが始まったその日から、目標を達成する見込みはゼロである。
プロジェクトに関わる人のほとんどは、それを知っていながら何も言わない。

P27 9.ムードリング

マネージャーは、プロジェクトが直面するリスク、意思決定、問題ではなく
チームの活動、努力、熱意をものに状況報告を行う!

P41 13.ベンチに人なし

組織をスリム化しすぎて、重要なメンバーがひとり欠けたら破綻する。

P53 17.永遠の議論

いつまでも不満を訴える権利を与えていて、結局は何も決まらない。

P59 19.映画評論家

映画評論家とは、プロジェクトにとって自分の価値は
過去や今後の間違いを指摘してやることだと思っていて、
間違いを正すためには何もしないメンバーや傍観者のことである。

P77 25.沈黙は同意とみなされる

相手には、あきらめの沈黙と同意の区別がつかない。

P83 27.いつわりの緊急任務

コストをおさえるためだけに、きつい締め切りが課される。

P101 34.エセ品質ゲート

プロジェクトの品質保証担当は、本当の品質向上には役に立たない
形式チェックにとらわれている。

P133 44.ブルーゾーン

チームに少なくともひとり、いつも与えられた権限以上のことをするメンバーがいる。

P136 45.ニュースの改良

悪いニュースが組織の下から上へ正確に伝わらない。

P162 その名は「ベン」

 仕事が好調だったり、プロジェクトが面白かったり、製品がクールだったりして
給料よりも仕事そのものが好き、という人たちがいる。

・・・ベンはすばらしい・・・人たちを手助けする。・・・この話の重要なところは
ベンは仕事を楽しんでいることだ。ベンは仕事を愛し、仕事にやりがいを感じ、
仕事をクールだと感じ、決して金のために働いているのではない。
給料が上がったり、ボーナスが出たりすればもちろんうれしいが・・・そんなことではない。

・・・ベンはあつかいやすい(マネージャーにとってもベンがいることは楽しい)が、
それ以上にあつかいを間違えやすい。

・・・部下のひとりが辞めたときに後任を採用しなかった。
ベンが仕事好きなのを知っていたので、ベンに仕事を回せばいいと・・・
耐えられないレベルに達し・・・ベンは仕事が楽しくなくなって会社を去った。
それがベンであったために、会社は最高の人材を失ったのである。

マネージャーが失ったものは、ベンが失ったものよりも大きい。
ベンはすぐに仕事を見つけられるが、マネージャーがベンを見つけるのは難しい。
ベンを細かく監督する必要なない。
上司の役割は、ベンがおもしろいと感じる仕事に向かうようにそっと後押しし、
好きな仕事をする有能な人材の情熱に任せて仕事を完成させることである。




P179 61.ほったらかしの成果物

プロジェクトで、誰も金を出そうと思わないような成果物がつくられる。

P214 72.安全弁

チームは仕事の緊張に立ち向かうため、
時々ガス抜きをする方法を考え出し、それがチームの生活の一部になる。

P217 73.バベルの塔

プロジェクトは、開発チームとステークホルダーの全員が理解できる
一貫した言語をつくれない。

P243 82.何のにおい?

組織の中にいる人は、組織の検定にある生命力にも腐敗にも気づかない。

P250 84.生半可なアイデアの美徳

チームは、生半可に思えるアイデアでも育てようとする。

P252 85.リーク

時間とコストは、注意深く測定されるカテゴリーから、そほど厳しくない
カテゴリーへと「逃れる」傾向がある。



86の短編小説のようで、「なるほど」の連続で読めます。
どこから読んでも面白いです。
表紙もカッコよく、センスがあります。
飛行機の座席、スターバックスで読むと、「できる男」を演出できます(笑)。

表紙もですが、とにかく、この本の中の挿絵(写真)など
さすがっ!クリエイティブな人達は違うなぁ・・・
この辺が、日本人には無理なところなんだろうなぁ・・・
センスがいいものを求める人の本棚に、ビシッと立ててください。

40歳ぐらいに人には「うちあたいのパターン」って、感じなので本当に面白い。
ぜひ、公務員の方に読んでほしいです!(なんでって???)

自分がバカな上司にならないように、予防治療の東洋医学・・・あっ・・・西洋の本。


(株)アイランド倶楽部
(株)ライスロケット  渡口 昇


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